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COLUMN

リユース経済新聞2026年8月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第144回 天然ダイヤ、底打ちの兆しとラボグロウンの注意点

2026.8.25

金相場の高止まりが続く一方で、宝飾の現場ではダイヤモンドの値動きにも少し変化が出てきましたね。天然ダイヤはここ数年、ラボグロウンの普及などを背景に弱い相場が続いてきましたが、足元では小粒の一部で価格が戻り、2ct以上の大粒石にも買いが集まっています。今回は、最近のダイヤ相場と、買取の現場で気をつけたいラボグロウンについてお話しします。

天然ダイヤ相場は二極化へ、大粒・高品質に買いの動き

まず相場ですが、何でも上がっているわけではありません。小粒や中価格帯は依然として選別が厳しい一方、2ct以上の良質な石や、5ctを超える希少なサイズは流通量が限られ、海外でも引き合いがあります。5月には0.30ct、0.50ctの相場にも小幅な反発が見られましたが、前年から見ればまだ安い水準です。つまり、全面的に底を打ったというより、安くなり過ぎたところに買いが入り始めた、と見るほうが自然でしょう。大粒、高品質、希少性のある天然石は別の動きをしているわけですね。

 反対に、きれいな小粒石はラボグロウンで代替しやすく、天然石との価格差が意識されやすい。クラリティVS~VVS程度であっても需要が低下しているため、この二極化は今後も見ておきたいところです。金も7月に調整した後、8月は再び上昇トレンドへ戻しています。宝飾品全体の仕入れ価格を考えるうえでも、ダイヤだけでなく地金の動きと合わせて見る必要がありますね。

 

 そして、バイヤーとしてより注意したいのがラボグロウンの見極めです。ラボグロウンは人工的に育成されたダイヤモンドですが、見た目だけで天然石と判別するのはプロでも難しく、GIAも、肉眼では天然石と同じように見えるため、専門的な検査が必要としています。

 

 さらに厄介なのが、鑑定書や刻印を悪用したケースです。GIAでは、天然ダイヤの鑑定番号を不正に刻印したラボグロウンなどが実際に確認されています。「GIAの番号があるから大丈夫」と思い込むのは危ないということですね。鑑定書の情報と現物が本当に一致しているのか、そこまで確認する必要があります。

 

 ラボグロウンはダイヤだけでなく、ルビーやサファイア、エメラルドなど色石の世界にも広がっています。技術が上がれば、見た目だけでの判断はますます難しくなるでしょう。私どものような古物市場では天然石とラボグロウンを分けて考えていますが、買取店の入口で間違えて買ってしまえば、その後の損失は大きくなります。

 

 少しでも違和感があったり、高額で判断に迷う。そんなときは無理にその場で結論を出さず、信頼できる鑑定機関に持ち込むことです。相場を見る力ももちろん大事ですが、「分からないものを分からないまま買わない」のも立派な目利きです。天然ダイヤの相場に少し変化が出てきた今だからこそ、値段だけでなく、その石が何者なのかまで丁寧に見る。基本ですが、あらためて意識しておきたいですね。

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