RK ENTERPRISE

オークションのいろは

COLUMN

リユース経済新聞2026年1月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第137回 2026年を占う、「三重高」と問われるバイヤーの地力

2026.1.25

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。早速ですが、2026年の幕開けは、ブランドリユース業界にとってまたも激動の一年を予感させるものとなりましたね。毎年恒例の元日のロレックス定価改定に加えて、1月4日のベネズエラ急襲に伴う地金高騰、そして150円台後半で高止まりする円安。これらの三重高ともいえるファクターが重なり、年初の市場は例年にないムードに包まれています。

特にロレックスの定価改定は、金無垢モデルを中心に1割前後の大幅な引き上げとなりました。金相場が1gあたり2万5000円を超える中、これまでお伝えしてきたとおり、中古市場でも商品価値以上に地金価値が優先される逆転現象は続いていきそうです。
また、年末年始に取引が止まっていた反動もあり、古物市場ではさらなる高騰を期待した売り控えや出品控えも見られますが、問題はこの後の動きです。例年、2月から3月の期末にかけては法人の在庫処分や個人の買い替えが活発化します。ここでの出品動向が、2026年前半の相場を決定づける試金石となるでしょう。

2026年を占う上で避けて通れないのが、中国リスクの長期化です。昨年11月から続く中国政府の渡航自粛の影響は大きく、12月の百貨店免税売上は全社的に大幅な減収となりました。銀座界隈のリユースショップからも、インバウンド需要の鈍化を嘆く声が聞こえてきます。

さらに、今年11月には免税販売がリファンド方式へと完全移行します。小売店での即時免税がなくなることで、旅行者の購買行動はさらに変化するはずです。小売りの「免税特需」を期待できるのはあと1年足らずで、そのあとは純粋なBtoB取引や、国内の顧客に向けた商売へのシフトを余儀なくされそうです。
先日開催された国際宝飾展(IJT)でも、市場の変化を痛感しました。ラボグロウンダイヤモンドの展示ブースが完全に定着する一方で、天然ダイヤの相場は依然として平坦、あるいは下げ基調が続いています。もはや「天然か人工か」という旧来の議論は意味をなさず、BtoCであればLGDの台頭を前提とした上で、天然ダイヤの希少性をどう再定義し、顧客に伝えていくか。バイヤーとしての鑑定眼だけでなく、価値を伝えていく力が問われそうです。

2026年は、相場の波に乗るだけでなく、変化に即応できるバイヤーの地力が試される一年になります。”有事の金”に象徴される値動きの大きさに翻弄されず、常に複数の出口を確保し、適切なキャッシュポジションを維持することも大切ですね。現場で培った肌感覚と引き際を見極める決断力も武器に、本年も共に、この荒波を渡っていきましょう!

コラム一覧へ戻る