オークションのいろは
COLUMN
リユース経済新聞2025年12月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』
第136回 2025年まとめ!銀高騰に「ツブシ」需要、来年の免税の備えは
2025.12.252025年も残すところあとわずかとなりました。年初のトランプ大統領就任に始まり、関税問題や為替の乱高下など、リユース業界にとって「激動」といえる1年でしたね。今回は今年最後のコラムとして、直近の相場動向を整理しつつ、この1年の変化と来たる2026年に向けた備えについてお話ししたいと思います。
免税影響で中国人訪日2割減予測も バイヤーの正念場迫る
まずは足元の相場ですが、11月から12月にかけては非常に堅調な動きを見せています。為替が円安トレンドをキープしていることに加え、金やプラチナなどの地金相場が高騰していることが要因です。ロレックスをはじめとする時計相場も、これらを背景に依然として高い水準を維持しています。海外市場の販売動向を見ても、今のところ鈍化の声は聞こえてきません。例年どおりであれば、来年1月にはロレックスの定価改定が行われるでしょうから、これがさらなる相場の底上げ要因になることは間違いないでしょう。
しかし、この「地金高騰」には副作用もあります。前回のコラムでも少し触れましたが、時計が製品としての価値よりも、地金としての価値、つまり「ツブシ」として見られる場面が増えています。私の肌感覚では、金無垢の時計が100本あったら、そのうち20本はツブシに回されている印象です。もちろん商売としては利益が出れば正解なのですが、長年時計に携わっているバイヤーとしては、リユースビジネスの醍醐味である「モノの循環」が減っている現状に、少し寂しさを感じるのも本音です。
さて、今年ひそかに注目を集めたのが「銀(シルバー)」の躍進です。3月頃から急激な上昇を見せましたが、背景には太陽光パネルやEV(電気自動車)向けの工業用需要の拡大があります。金相場につられる形での上昇も見られますが、それでも金やロレックスの高騰ぶりに比べれば、シルバー製品はまだ値頃感があります。ティファニーなどのブランドシルバーアクセサリーは、価格的にも手に取りやすく、今後のポテンシャルを秘めたジャンルです。
最後に、来年以降の懸念材料についておさらいしておきましょう。2026年11月には、いよいよ免税方式が現行の方式から「リファンド方式」へ変更されます。これに伴い、業界内では「中国人インバウンドの訪日数が24%下がる」といった衝撃的な予測も囁かれています。もしこれが現実となれば、インバウンド需要で支えられてきたロレックスのスポーツモデルや、投機的な商材の相場には冷や水となる可能性があります。
地金としての価値、工業需要による銀の高騰、そして制度変更によるインバウンドの減退懸念。2025年は、バイヤーとしての選球眼があらためて問われる1年でした。来年もまた、変化の波は止まないでしょう。しかし、波があるからこそ、我々の腕の見せどころでもあります。しっかりと準備を整えて良い年を迎えたいですね。1年間、本コラムにお付き合いいただきありがとうございました。また来年、元気にお会いしましょう!
