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COLUMN

リユース経済新聞2025年8月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第132回 増える古物市場、どれを選ぶ?

2025.8.25

ここ数年でブランド古物市場の数がずいぶん増えました。小欄でもこれまでも何度か取り上げてきましたが、最近では本当に「毎日どこかで何かの市場が開かれている」状況です。現在はオンラインが主流ですが、その中でも競り方式の違いや、実地下見の有無など、形式もさまざま。初めて参加を検討している方にとっては、どこから入っていいか迷うこともあると思います。今回は、古物市場を参加ハードルでざっくり分類しながら、それぞれの特徴を整理します。

オンライン古物市場(実地下見なし):初心者向け

いわゆる「下見なし」のオンライン市場は、全国どこからでも参加できる手軽さが魅力です。出品商品のコンディションや真贋情報をオンライン上で細かく掲載するほか、万が一、情報と実物に乖離があった場合は、返品に応じてくれるケースも多くあります。

入札方式は大きく「リアルタイム式」と「入札式」の2種類。前者は現在の競り価格が見えるため相場感が掴みやすく、初心者にもわかりやすい形式です。出品に関しては集荷・撮影・登録作業まで主催者が代行してくれるケースが多い反面、運営コストがかかるため「買い歩銭(落札時に買い手が支払う手数料)」が発生する市場が主流です。

オンライン古物市場(実地下見あり):中~上級者向け

会場で商品を直接確認できる「下見あり」のオンライン市場は、一見やさしそうで実は難しい、中〜上級者向けの世界です。「ちゃんと見て買った」ことが前提になるので、外装のキズや汚れなどの見落としは買い手側の責任となります。

一方で、現物確認ができるため、出品リスト上はBランクでも「これはAに近い」と自分の目で判断し、攻めた入札戦略を立てられるのは大きなメリット。販売先や利益幅をイメージしながら入札できるため、慣れたバイヤーには人気の形式です。なお、買い歩銭の有無は市場によって異なります。

リアル古物市場(手競り):超上級者向け

現在はだいぶ数を減らしたものの、手競りで行うリアル市場も健在です。現物を見ながら、その場で競り合うライブ感と緊張感は格別で、再び注目されています。ただし、スピードと判断力が求められるので、完全に超上級者向け。気軽に挑戦できる雰囲気ではありません。

後交渉にも要注意

「後交渉」は必ず確認しておきたい項目です。市場によって受付期限が異なるため、必ず確認しましょう。「メーカー修理に出していたら、交渉期限を過ぎてしまった」なんてことにならないよう、長引きそうな場合は事前に主催者へ連絡を。

また、落札品の真贋保証の有無も重要です。参考までに、私どもが運営する「RKオークション」では、万が一落札商品が不正品だった場合、1年間の返品補償に対応しています。市場ごとに異なる後交渉のルールは、参加前に必ず確認しましょう。

簡単ではありますが、ブランド古物市場の選び方をおさらいしました。本紙に掲載されている全国の古物市場情報をチェックする際にも、今回の分類をヒントに、自分に合った市場を見つけてはいかがでしょうか。

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