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COLUMN

リユース経済新聞2024年6月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第118回 2024年も半ば、古物相場の現在地

2024.6.25

早いもので、2024年も半年が過ぎました。また、コロナが5類に移行してからもう1年以上が経ったことになります。今回は節目のタイミングということで、昨年5月以降からの状況を振り返りながら、最近のブランド古物市場について考察してみたいと思います。

昨年5月頃、コロナ5類移行後の期待感から、古物市場は買い手、売り手ともに非常に活発でした。たとえば、私たちが運営するRKオークションでは、昨年同期の落札率が95~96%と非常に高く、全体の勢いが強かったことがわかります。直近の4、5月では落札率が90%前後に落ち着いており、勢いに若干の変化が見られますが、それでも市場は依然として堅調です。

新作流通や合成ダイヤに動き 各市場に追い風

このように書くと最近は勢いがないのかと誤解されるかもしれませんが、そんなことはありません。周知のとおり、インバウンド消費が今日にいたるまで市場を支えています。今年3月には月間訪日客数が300万人を超え、コロナ前の2019年をゆうに超えるペースが続いていて、小売り市場に活況をもたらしてくれています。世界的な物価高やコト消費への関心の高まりから、インバウンドの消費単価が下がっているとも言われていますが、古物市場は堅調で、特にブランド時計では相場の羅針盤ともいえるロレックスは上昇が続いています。

昨年夏ごろまでの古物市場では、海外輸出用に商材を落札する企業が多い印象でしたが、このところは国内小売り用に仕入れる向きが強くなっています。一方で、香港や北米のショーが以前のように活発化しているため、海外勢の買い付けにも勢いがあります。前回の小欄でお伝えしたように、商材の流通数が減っていることもあり、国内小売り勢と海外勢、どちらからも手が伸びることで相場は高止まりしています。

さらに、ブランド古物や宝石にとっては相場の追い風となるトピックが続きます。4月に発表されたロレックスの新作モデルがすでに国内市場にも流通し始め、GMTマスターを筆頭に高相場となっています。大方の予想よりも高い値をつけていて、その影響から既存モデルの相場も引き上がっています。

そして、つい最近報じられたのがダイヤモンド関連企業の大手「デビアス」がラボグロウンダイヤ(合成ダイヤ)から撤退するというニュース。かつて、デビアスがラボグロウンダイヤ製造を始めた際には、メレダイヤを中心に天然ダイヤ相場にも影響がありましたが、この撤退により、あらためて天然ダイヤの価値が見直されるのではないでしょうか。

株高、円安、地金相場の高騰といった情勢が続く中、2024年も中盤を迎え、ブランド古物市場は引き続き堅調な動きを見せています。コロナ5類移行後の活発な市場に加え、インバウンド消費の回復が市場を支えている今、相場の安定とさらなる上昇が期待されます。

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