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COLUMN

リサイクル通信2024年2月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第114回 あれから1年、大きな話題となった認定中古品は

2024.2.25

皆さんは一昨年に古物業界をザワつかせた、「ロレックスの認定中古品プログラム」を覚えていますでしょうか。「そういえば、そんなニュースあったなぁ」なんて方も多いのではないでしょうか。そもそも知らない人のために説明しますと、ロレックスが販売後3年が経過した自社の製品を認定中古品として販売する仕組みのことです。2022年12月1日に発表されると、古物業界は一時この話題で持ちきりとなりました。
もともと認定中古品プログラムはフランクミュラーやリシャール・ミルなどが先行して展開していましたが、そこに時計の王様ロレックスが参戦。当時は特に古物相場が過熱化していたタイミングでしたから、古物市場の相場への影響を懸念する声も聞かれました。

影響はほぼ感じず、今後の動きを注視

ただ、ヨーロッパのブヘラ ブティックでの限定的な展開ということと、価格やラインナップなどの諸条件を国内の二次流通市場と比べたときにメリットが薄いことから、発表当時、小欄では国内古物相場への影響は軽微では、と予想していました。

あれから1年以上が経過した今、実態はどうでしょうか。結論としては、現在までに認定中古品プログラムによる古物相場の影響は軽微、というよりほぼ感じられていません。認定中古品プログラムは順次世界に拡大予定、とありますが、未だ日本国内には取り扱い店舗はないようです。流通が限定的なこともあってか、私どもが主催するRKオークションでは認定中古品の出品はこれまでにありません。
もちろん、今後日本国内のロレックス ブティックが認定中古品を取り扱った際にはどうなるか分かりません。ただ、価格に関してはヨーロッパに並ぶ認定中古品は日本の二次流通市場よりも大分割高のようですので、仮に国内で展開されたとしても、古物相場への影響はやはり限定的なのではないかとあらためて感じています。

一方で、今後国内でも流通が増えてくるようなら、認定中古品タグを始めとする付属品にも配慮しなければいけませんね。ご存じのとおり、昨今は付属品の有無で相場が大きく変わります。分かりやすい例でデイトナ 116500LN(白)などは2016年の発表当初から2年程度の間は保証書のありなしでの価格差は~10万円ほどでしたが、今現在では40~50万円ほども相場に開きがあります。近年は製品本体だけでなく、付属品も精巧なコピー品が作られていますから、認定中古品においても製造されることは想像に難くありません。まだそうした事例を見聞きしたことはありませんが、例えば認定中古品タグのコピー品などが登場することも注意が必要そうですね。

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