オークションのいろは
COLUMN
リサイクル通信2024年1月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』
第113回 2024年、今年の相場に影響する大型トピックは
2024.1.25年明けから国内では痛ましい災害や事故が相次ぎました。被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
新年最初のコラムとなります。ショッキングなニュースから幕を開けた2024年ですが、日経平均株価が高値をつけています。本稿執筆時点(1月上旬)では3万5000円を超え、バブル期以来となる高値をつけたことで市場から驚きの声が上がっています。
昨年1月のコラムでは、2023年は「相場が上がる」と見込みましたが、今年はどうでしょうか。昨年の大枠を振り返りながら、今年の古物相場の先行きをいくつかのトピックを挙げながら考えたいと思います。
株高や旧正月に期待高まるも、気になる秋の米選挙
2023年は段階的に自粛ムードから開放されつつあった中で、5月にコロナが5類移行したことで国内市況はもとよりインバウンドが本格的に活発化。かつてのインバウンドのピークから国内の物価は上昇していましたが、そこに円安が追い風となりました。2019年にドル/110円前後だった為替は、ドル/140~150円台の円安に。秋頃までの地金相場の高騰もあり、ブランド古物の相場も上昇トレンドが続きました。
しかし12月に入ると、勢いが失速。前回コラムでお伝えしたとおり、為替が急激に円高に振れたことと、もともといま一つ元気のなかった海外市況も背景にあり、ブレーキがかかった格好となりました。年明け早々の相場感だけでみれば、まだ12月の流れを継いでいます。例年、1月は古物市場の出品数が少なくなりやすいが、その分入札が集中することで相場は維持しやすいですが、現在は売り先の一つである海外市況がいまいち。ともすれば各業者とも在庫を抱えがちな状況にあり、在庫の出口を多く持っていないと、かじ取りが難しいと思います。
ただ、冒頭に上げたとおり日経平均株価は30年ぶりの高値をつけ、株高局面となっています。これが続いていくかどうか。2~3月が今年の相場を占う重要な局面となります。
ひとつは中国の旧正月(2月)。昨年の国慶節での中国人インバウンドの特需は、大方の期待に反してやや鈍かった印象でした。昨年は団体旅行が解禁されて間もないこともあったのだと思いますから、次の2月には期待がかかります。
そして、旧正月明けの2月末からは香港の湾仔(ワンチャイ)で5日間にわたりインターナショナル・ジュエリーショーが開催されます。この日程付近では比較的大きな時計のショーも重なっており、これらの売れ行きが春先以降の宝飾相場の先行きを占う可能性が十分にあります。株高や中国の旧正月など、相場的にはポジティブな要素が揃っているので期待したいところです。
ただ、私がもっとも注目しているトピックは今年11月に開催される米大統領選の行方。現職のバイデン氏か、立候補を表明しているトランプ氏か。2016年にトランプ氏が大統領選に勝利した際は、ドル円為替は一気に円高に振れ、市場が騒然となったことは記憶に新しいですね。。ウクライナやガザ地域の紛争などが勃発し世界情勢に緊張が走っている今、リーダーが誰になるのか・・・。いまから戦々恐々としています。