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COLUMN

リサイクル通信2023年11月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第111回 好調な国内市場の背景で動く時計、ダイヤ市況

2023.11.25

コロナ禍の影響から抜け出し、インバウンドを中心に好況が続く国内市場。昨年までとは異なる様相となるであろう、年末年始商戦にも期待がかかりますね。一方で、時計宝飾市場では明暗が分かれている面も見られます。今回のコラムでは、年末年始の繁忙期を目前にいくつかのトピックを交えながら市場動向に触れてみます。

海外時計は低調、存在増す合成ダイヤにも注視

国内市場では時計の相場が堅調で、私どもが運営するRKオークションではロレックスの落札率が95%を超え、好調な兆しを見せています。一方でアメリカのIWJGでは相場の動きが鈍いとの情報もあり、海外市場には変動が見られています。これは国内外での市況の違いが如実に表れている兆候と言えるでしょう。

ダイヤモンド市場については、数年前に大きな話題となったデ・ビアスの合成ダイヤ製品登場に端を発し、SDGs志向によって環境負荷の少ない合成ダイヤがアメリカを中心に若い世代に受け入れられつつあります。国内でも大手百貨店が取り扱いを始め、以前よりも浸透しています。

過去には天然ダイヤに合成ダイヤを混ぜる悪質な取引が横行したことで、ダイヤ市場の相場に影響を及ぼしたこともありました。現在はGIA iD100などの判定機を用いることで看破でき、かつてのような影響は見られません。一方で、前述のとおり合成ダイヤに対する市場の考え方そのものが変化しつつあり、天然ダイヤ市場への影響が出ています。

ダイヤモンドを専門に取り扱う古物市場の担当者にも話を聞いてみましたが、以前は他の市場でも付き合いから買い回っていたが、いまは自社の市場を買い支えるので精いっぱいだそうです。最近行われた国内の見本市IJTでも、業者によって売れ行きに差はあれ、色石に比べてダイヤ市況は厳しいようです。

RKオークションをはじめ、合成ダイヤの出品を認めていない古物市場は多く、天然ダイヤの需要や価値は保たれていますが、今後の展望はまだなんともいえませんね。

インバウンドの好調さとは裏腹に、こうしたトレンドしかり、長引く円安が市場に与える影響や中国の住宅バブル崩壊が国内相場に影を落とす可能性が指摘されています。中国市場ではロレックスを始め、高級嗜好品の値が下落傾向にあるそうですから、国内相場への波及がないか、注視していきましょう。

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