RK ENTERPRISE

オークションのいろは

COLUMN

リサイクル通信2023年6月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第106回 あらためて見直したい、防犯と盗品対策

2023.6.25

先月、大型連休の直後に起きた東京・銀座の強盗事件は、古物業界のみならず日本中に衝撃を与えました。目抜き通りに面したお店に白昼堂々と押し入る様は、にわかには信じがたい光景でした。つい先日には川崎でも同様の事件が起き、いつ、どこで起きてもおかしくないことだと思いました。

これらの事件をきっかけに、業界全体が防犯セキュリティの体制をあらためて見直す動きが高まっています。

“盗品で全損”を防ぐ 備えの仕組み確認を

また、こうした事件に比例するかのように「出品された商品が盗品だった」という話が、そこかしこの古物市場から聞こえてくるようになりました。強盗や窃盗対策のほかに、盗品に対する注意も高めていかなければなりません。万が一盗品を売ってしまった場合、盗品押収として差し押さえられ、大きな損失となる恐れがあります。

2016年以前は古物市場で盗品と発覚した際、まず出品者に返却し、出品者自身が警察に品物を提出するのが主でした。その後、盗品の売買防止や速やかな発見を目的として警察庁から指導が入り、盗品発見時に提出することが求められることとなりました。これを守らないと盗品運搬罪にあたるため、その時点で所有している事業者からの申告義務があります。

盗品として警察に提出=押収されたものが手元に戻ってくることはありません。盗品が販売済みであれば、押収品目録の写しを添えて、買った事業者に返金しなければなりません。盗品が個人から買い取った品物であれば、その金額を請求することは多くの場合困難でしょうから、事業者にとっては実質「全損」となり大きな痛手です。

こうした事態に備える仕組みもあります。全国質屋組合連合会(全質連)が組合員向けに提供する”質屋保険”(質屋経営補償共済)に加入していれば「市場補償特約」(質屋市場補償共済)を付けられます。この特約により、買取や質預かりしたものが盗品で押収された場合、保険が適用されれば損失に対する保険金が支払われます。

くれぐれも気をつけたいのは、質屋保険に加入していても、特約を付けていない場合は補償が受けられません。実際、私の知り合いの質屋は、販売品が後日盗品だったとわかり、丸々損失を被ったと嘆いていました。このような事態を避けるため、質屋の方々はあらためて質屋保険の内容を見直してみてください。

また、上記に挙げた質屋保険は質屋以外は加入できませんが、独自の特約等を設けている古物市場などもあります。参加している古物市場の規約などをあらためて確認してみることをおすすめします。

コロナが5類に移行し、商品や人々の行き来が活発化していることはとても喜ばしいですが、それに伴ってリスクが増えつつあることも意識してまいりましょう。

コラム一覧へ戻る