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COLUMN

リサイクル通信2023年4月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第104回 新作発表に踊る海外相場

2023.4.25

3月27日、今年も開催された「ウォッチズ&ワンダーズ」に古物業界が沸きましたね。前身のSIHH(ジュネーブサロン)から現開催名になって早や3年、リアルな展示会が行われるようになってから2回目となった今回。ロレックスを筆頭に様々な新作発表がありました。すでに各所で新作に対する国内市場の反応や講評を目にされているかと思います。今回、私が気になったのは海外市場の動きでした。

ロレックスの公式サイトでは日本時間の15時30分頃に新作情報が掲載されましたが、聞くところによれば海外では一足早く、日本時間13時頃にリーク情報が駆け巡っていたそうです。

ロレックス急上昇、コロナ沈静化で国内も上昇気運

その影響もあったのでしょうか、海外市場ではロレックス相場がものの一日でガラリと一変したそうです。わかりやすい例として、香港市場では今回カタログ落ち(=ディスコン)したミルガウスは、30%ほど値を上げたそう。ここまでではないですが、新型が発表されたデイトナも、前型の116500LNは30万円近く高くなりました。

日本国内も発表を受けて徐々に相場が上がってきていますが、圧倒的に海外市場の反応が早かったようです。ロレックスだけではなく、パテック・フィリップやオーデマ・ピゲといったハイエンドピースの相場にも影響が表れています。

いずれのブランドもゴールド無垢系が高騰しており、特にパテック・フィリップのノーチラスは5990や、5712のローズゴールド(新型ブレス)などの新品現行ギャラ付きが高くなっています。モデルによっては、昨年は1700万円でもどうか、といったものが今や2500万円でも売れるように。昨年以前のピーク時には及ばないものの、6~7合目程度まできた印象です。

以前にもお話しましたように、コロナ禍以前は海外市場の相場に牽引される形で、国内相場が引き上げられていきました。コロナ禍になって海外とのトラフィックが制限されてからは、いわばガラパゴス的に国内相場が高騰していき、その後落ち着きました。基本的に国内よりも海外の方が相場のアシが早いため、人流が戻りつつあるいま、国内相場もさらに動きが出るのではないでしょうか。

実際、当社が主催するRKオークションの直近時計大会の落札率は1月:90%、2月:92%、3月:96%と右肩上がりできており、相場の上昇とともに買い気が高まっていることが伺えます。インバウンド復調が本格化し、新作が国内市場でも流通し始める夏頃まで相場の好材料がそろいますね。

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