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COLUMN

リサイクル通信2022年5月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第93回 20年ぶりの130円台!古物相場は、いま

2022.5.25

4月末、ドル円相場が「130円台」をつけて話題となりましたね。2002年以来、実に20年ぶりの円安水準だそうで、あまりの急落に経済や物価への影響を心配する声も上がっています。今年の2月初めには115円前後だったのが、たった2ヶ月で15円近くも円安が進んだのですから当然ですね。

当然、ブランド古物相場にも大きな影響が出てくるもの・・・。そう思っていましたが、この2年ほどで市場は大分変化したようです。というのもの、コロナ禍以前は為替が1~2円上下すると、相場にもダイレクトに響いていたのですが、この一ヶ月程度の市況を見る限りは大きく影響していません。もちろん、海外輸出の際は国内との価格に開きが出ますが「国内相場に関してはさほど響いていない」といったところでしょうか。為替の値動きに売り手も買い手も慌ただしく動いた、かつての光景は見られません。

環境ガラリと変化、コロナで加速

これには様々な要因があるかと思いますが、ひとつはコロナ禍以降、ビジネストラフィックが縮小し輸出入に滞りが出たことで、国内市場の相場が過熱化していったことが影響しています。ビジネストラフィックは少しずつ緩和されつつあるものの、いまだ制限があり、国内の相場はガラパゴス化しています。

円安による相場への影響より、そもそも現在の国内市場相場が高くなりすぎていたことが大きいのです。
もちろん、今後トラフィックが拡大すれば、円安輸出や免税販売の恩恵、また海外からの仕入れが増えることで品物の弾数が多くなることも見込まれますが、この円安はどうもすぐには沈静化しなさそう。

輸入が増えても、内外価格差からいずれメーカー定価の上昇に繋がったり、物流コストの高騰が相まって、国内相場が落ち着くには時間を要すると思います。長引くウクライナ侵攻を背景に、金やプラチナといった先物系の相場は上昇し続けていますし、為替もすぐには元の水準には戻らないでしょう。

一方で、高い相場が続く中でもすべてが売れているかといえばそうではなく、人気/不人気の差が激しく、売れやすいオーソドックスなモデルや、トレンドのモデルに入札が集中する傾向が続いています。為替による影響への懸念も大切ですが、取引対象の選球眼を見誤らないことがより求められています。

しかしながら、かつて130円台の円安をつけた20年前と現在を比較すると、驚くほど環境は変化しました。かつては今よりももっとニッチなマーケットで、各古物市場の参加も数社~数十社程度でしたが、いまや数百社規模もめずらしくありません。この2年間で加速した非対面化やオンライン化をはじめ、古物市場のパラダイムシフトが身に沁みています。

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