オークションのいろは
COLUMN
リサイクル通信2022年2月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』
第90回 過熱相場の動きとリスクを読むには
2022.2.25年初に東京都内で新型コロナの新規感染者数3000人と報じられて驚いたのも束の間、その後急速に拡大して2月には2万人を超えてしまいました。文字どおりケタ違いの感染力を示したオミクロン株の影響から、3月に予定されていた香港のジュエリーショーは中止が決定。ピークアウトを迎えたとはいわれるものの、先行きが読めない情勢です。
一方で、ブランド古物相場は引き続き上昇トレンドとなっています。特に、時計は徐々に各メーカーの新作が発表され、市場全体の注目度も高まりつつあります。相場の波が大きく揺れ動くいま、様々なトピックを押さえておくことが大切です。
リアル会場で生の情報収集や現物チェックを
新作の中でも注目度が高いのはオーデマピゲでしょうか。ブランドのフラッグシップモデルである「ロイヤルオーク」が1972年の初登場から50周年を迎え、新作が多数発表されています。また、パテックフィリップに関しては「ノーチラス」の現行モデルが生産終了となることが分かり、後継モデルへの期待が高まっています。
ロイヤルオーク、ノーチラスどちらにもいえるのは、非常にプレミアム性が高いモデルであるということ。その希少性から市場相場は過熱気味で、この流れは新作発表後も続くと思われます。これらのブランドに限らず、近年は各メーカーにおいて希少性や限定性といった付加価値を打ち出す傾向が見られます。どのモデル、あるいはコレクションラインにプレミアムが付くか、古物市場の相場動向に加えて国内外の販売価格を細かくチェックすることが必要です。
そして、このように市場相場が急速に上昇する中では、偽造品の流通リスクにも注意を払う必要があります。最近では、ロレックス オイスターパーペチュアルのカラーダイアルの偽造品が市場に出回り始めていることを確認しています。相場だけならWeb上での情報収集でも事足りますが、偽造品に関しては現物を直に見ることがリスク回避にもっとも適しています。
皆さんが参加する古物市場が完全にオンラインのみではなくリアルな下見会場も備えているなら、可能であれば実際に足を運んでみることをおすすめします。偽造品リスクの回避はもとより、会場内の他の参加者から相場やトレンド情報をリアルタイムで収集することもできるからです。落札相場を調べるだけならWeb上でも事足りますが、値動きが激しい今は、他の買い手から足の早い情報を仕入れる重要性も上がってきていると思います。
ちなみに、私どもが運営するRKオークションは、Web上はもちろん、現物を手に取ってご覧いただける下見会場もご用意しています。3月からは会場を移転し、横浜の関内駅から徒歩3分ほどの立地となり、これまで以上にアクセスが良くなりますのでぜひご活用ください。