オークションのいろは
COLUMN
リサイクル通信2021年3月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』
第79回 春のバイヤーデビューは入札方式から
2021.3.25今年は平年よりも早い桜の開花が予想されているそうですね。本稿が掲載される3月25日には、全国のいたるところで開花宣言が聞こえてきそうです。そんな中、本稿を執筆している3月上旬現在では再び緊急事態宣言延長案も上がってきていますから、手放しで喜べないのが物寂しいですね。
さて、こうした社会情勢からも全国の古物市場は引き続きオンラインや、入札方式での開催が続くでしょう。今年に入り、大手の小売り業者さん等によるブランド古物市場への参入もあり、さらなる拡がりを見せています。
4月から新たにバイヤーとして古物市場に参加される方もいらっしゃると思いますから、今回は小欄でも幾度か取り上げてきた「入札方式のメリットや注意点」をあらためてフォーカスします。
(入札方式の仕組み自体は、過去の小欄記事やリサイクル通信さんのWebサイトをお読みいただければと思います)
ハードルの低さを味方にチャレンジを
結論からいえば、入札方式はバイヤーデビューする方々にとって、古物市場への参入ハードルを下げてくれるためオススメです。
バイヤーから見た入札方式のもっとも大きなメリットは、時間的・身体的制約を受けないことでしょう。事前入札さえしておけば、あとは結果を待つだけです。会場に足を運ぶリアル競りはもちろん、オンラインであってもリアルタイム方式であれば本番中は画面の前に釘付けになります。浮いた時間を新たな業務に充てることができるのが魅力です。
また、リアル競りではヤリツキ(声の上げ方)のタイミングや競り上がり時のピッチやテンポなど、結構テクニックが求められるため初心者ではなかなか太刀打ちできませんが、入札方式ならそんな懸念もありません。古物市場特有のしがらみなどもあまり気にせず参加できますから、バイヤーデビューする方々にもオススメできる点です。
もちろん、注意点もあります。相場に関しては、自分自身で調べて入札するしかありません。リアル競りなら周囲のヤリツキや入札ピッチを見聞きして相場をイメージできますが、入札方式では"周りを見て合わせる"ことができませんから、より綿密な下見と相場の勉強が求められます。直近の落札価格はもちろん、参加する古物市場のトレンドも加味して導き出すしかありません。古物市場によっては、大会の振り返りレポートを発信していますから、それに目を通すのも手です。
それでも、初心者のうちは相場から大きく離れた価格で入札してしまうかもしれません。(飛びぬけて高い相場で落札してしまったら・・・)そんな心配がある方は、参加する古物市場に「二番手制度」があるか調べてみましょう。二番手制度があれば、1番高く入札した人が落札権利を得ても、支払う金額は2番目に高く入札した人の金額+αとなるため、たとえ1番高い人が300万円で入札しても、2番目の入札額が200万円であれば、最終的な支払金額は200万円+αとなります。
ですから、二番手制度を保険と思って、ある程度は思い切って入札してみましょう!もっとも、入札が一人しかいない場合は否応なしにその金額で落札されるので注意は必要ですが・・・(汗)