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COLUMN

リサイクル通信2021年2月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第78回 「コロナなのに相場上昇」を読み解く

2021.2.25

残念ながら、大方の予想どおり二度目の緊急事態宣言は3月まで延長となってしまいました。日々報じられるニュースを伺うに足元の経済情勢は刻一刻と悪くなっている…そんなイメージを抱いてしまいそうですが、不思議なことにブランド古物相場は好調の一途をたどっています。緊急事態宣言から約2ヶ月、現在の古物相場を読み解いていきます。

その中でもロレックスはわかりやすく相場が上昇していて、デイトナ Ref.116500LN(白文字盤)の新型ギャランティ付きでは2月上旬時点の中古落札相場が約300万円前後、新品落札相場はなんと340万円(!)で、国内定価を200万円も上回る値段をつけています。昨年9月頃の中古落札相場は260万円前後でしたから、この5ヶ月余りでおよそ40万円近く相場が上がったことになります。

30年ぶり高騰株価に劣らぬ古物相場

相場上昇はデイトナに限らず、国内定価 約69万円のエクスプローラー1 Ref.214270が、新品では90万円前後で落札されるなど、他のスポーツモデルにも波及しています(Ref.214270に関しては、巷でささやかれるディスコン(廃盤)説も手伝っているようですが)。

近年は特に金融資産的な側面が強いロレックスですが、コロナ禍かつ緊急事態宣言下にも関わらず、異常といっていいくらいの上昇幅を見せています。ロレックスは代表例ですが、パテックフィリップやオーデマピゲなど、他のブランドも相場は上昇しています。

ひとつの要因としては昨年10月25日号の小欄で触れた、新型コロナによって旅行やレジャーへの消費が抑制されていることで「モノ」にお金が流れやすい傾向があるといえます。ただ、今現在の上昇幅はさらに過熱しています。

昨秋頃と大きく異なっているのは、米大統領の交代です。バイデン氏が当選して以降、ダウ平均株価は上昇し続けて直近では30,000ドルを超え、それに比例するように日経平均も30年ぶりとなる29,000円台をつけました(本稿執筆時点)。株価と実体経済のかい離を懸念する声もありますが、当社を含め全国の古物市場には毎月多くのバイヤーが休まず参加しており、需要は確実に増しているようです。

また、昨秋頃は海外への渡航制限が段階的に緩和され始めた状況で、相場を牽引していたのは主に国内需要でした。現在は、海外への輸出やビジネストラフィックも拡大傾向にあり、国内だけでなく海外市場へのすそ野も拡がっています。一時、国内の古物市場ではダブつき気味だったRef.116500LNの相場が一段と上がっているのは、海外市場のニーズが底上げしているといってよいでしょう。

国内で叫ばれる消費低迷とは裏腹に好調なブランド古物相場。コロナ禍の相場上昇トレンドはまだ続きそうな見通しです。

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