オークションのいろは
COLUMN
リサイクル通信2020年10月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』
第74回 コロナ前後のロレックス相場 移り変わり
2020.10.25これまでにもお伝えしたように、新型コロナウイルスは古物相場に様々な影響を与えています。今回は、わかりやすいロレックスのモデルを例に挙げて、各時期の相場をグラフと共に振り返ってみたいと思います。各相場はそれぞれコロナ前の昨年12月と、コロナの影響で底値を打った4月、相場が回復して以降、直近の9月をもとにしています。(各相場は保証書付属、中古Aランクを目安としています)
ラグジュアリー系のデイトナの中でも人気が高いRef.116506A。アイスブルー文字盤のインデックスにバゲットダイヤをセットしたこの一本は、その他のロレックス スポーツモデルに比べて市場の流通数が圧倒的に少ないモデルで、有名どころの古物市場でも月に一本出品があるかどうか。廃盤説もささやかれ、その希少性から古物市場のたびに相場が上昇しています。コロナ禍においても相場下落の影響は少なく、4月時点でも800万円ほどで取引されていました。夏以降の相場上昇トレンドからさらに値を上げており、中古での小売価格が1,000万円ほどに対して、市場での税抜取引価格が900万円ほどと高騰ぶりが見てとれます。
近年のロレックス高騰の代名詞ともいえるRef.116500LN。投機目的で買われる方も多く、概ね定価+100万円~120万円ほどの高値相場で安定していましたが、4月には1割ほど相場が下がりました。一方で市場への流通数は多く、古物市場でも毎大会ごとに2~30本ペースで出品されているため、やや飽和気味です。日本ロレックスは今年7月から保証書が新型になりましたが、新型保証書が付属したモデルの出品が多く、買取店さんからの相場問い合わせの件数も非常に多いので、メーカーも流通に力を入れているのかしれません。現在はプレミアム相場が続いていますが、この先も今ほど高値で推移することはないんじゃないかと思います。