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COLUMN

リサイクル通信2019年1月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第53回 古物市場の相場をつくる要素

2019.1.25

2018年も早いもので、残すところわずかとなりました。今年も私の拙いコラムをお読みいただきありがとうございました。2019年もどうぞお付き合いいただけたら幸いです。

さて、先月末の話となりますが、当社が主催するブランド古物大会「RKグローバルオークション」の8周年大会を行いました。おかげ様で出来高は20億円を超え過去最高となり、リサイクル通信紙面にも掲載いただきました。

出来高上昇の背景には、出品料が増えたこともありますが、近年の相場高騰が影響しています。特に、時計相場は中心的存在である「ロレックス」を筆頭にそれが顕著に表れていました。今回は、8周年大会を通して見えたロレックス相場の傾向を取り上げたいと思います。

RKグローバルオークションの時計大会では、出品総数の3~4割をロレックスが占ており、必然的に相場全体に大きく影響を与えます。ロレックスは、現行のスポーツモデルかつ「2018年」日付のギャランティを持つ中古モデルの相場が高騰しています。中でも、ディスコンがほぼ確定的といわれるRef.116710は上昇幅が大きいですね。
なお、このギャランティの日付が特に重要で、1年前の2017年日付だと相場が5%ほど低くなっています。

ロレックスはその高い人気と資産性から、一部のスポーツモデルはプレミア化しており、ブティックや正規店では入手困難となっています。今年は、大手百貨店の外商が顧客や業者と結託して転売益を得ていたというニュースも話題となりました。
メーカー側も近年は転売対策のためか、販売時には「ケースの保護シールを剥がす」「ブレスレット調整をして納品」といった対応を徹底しているようです(前述の百貨店問題のようなことが起きると、意味をなさないのですが・・・)。

前置きが長くなりましたが、上記の転売対策によって、我々のような古物業者が長年扱ってきた「保護シールも貼ってあり、ブレス未調整の新品ロレックス」が非常に入手しづらくなっています。結果、その代わりに比較的新しい中古品の相場が高くなっているのです。上記に挙げた「新品ロレックス」が並行市場に出回ることは減少していくと予測されるため、相場高騰のトレンドは今後も継続しそうです。

余談ですが、25年ほど前はロレックスの保護シールといえば裏蓋のグリーンシールのみで、現在のようにケースサイドやラグには貼られていませんでした。かつては裏蓋シールさえ貼られていれば、数回使った程度なら新品として取引されていたこともあったようです。

その時代と比べたら、大分厳しく(というよりも、真っ当に?)なってきているなぁと感じます。今後は、並行市場における「新品」の定義も変わっていくのかもしれません。

また、相場に関しては上記の理由に加えて、マーケットが海外主体になりつつある点も影響しています。前々回のコラムでも触れましたが、現在は海外市場での小売り・卸価格をベースに相場が形成されています。国内定価をひとつの指標として相場が決まっていたかつての時代から、大きく様変わりしてきているとあらためて感じました。

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