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COLUMN

リサイクル通信2018年11月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第51回 市場の清算を正しく行おう

2018.11.25

残すところ2018年もあとひと月となりました。毎年のことですが、この原稿を執筆している11月上旬頃から年末にかけて、古物業界はめまぐるしく流通量が増えていきます。特に小売業界は年末商戦の繁忙期を迎えるため、10月~11月が仕入れのピークとなりますね。仕入後の、商品化までのメンテナンス等の生産期間を考えれば待ったなしの状況。

最近はブランド古物や地金相場が上昇基調ですから、年末にかけて仕入れ値も上昇していきそう。仕入れのシーズンとしては、いまがまさに佳境ではないでしょうか。

そのためには、古物市場で競り落とした商材の仕入れをスムーズに行う必要があります。当たり前ですが、市場で落札した商材は、代金清算が終わって初めて自社に持ち帰ることができます。特にお金のサイクルが早くなる年末は 、効率よく仕入れを回していかなければなりませんから、清算の不備で仕入れが遅れると、チャンスロスにつながりかねません。今回はそんな当たり前の「市場での清算」についてお話します。

下見の活用や情報収集で清算は速やかに

市場では、原則として買い手は「事前入金」か「当日現金」による支払いを行います。事前入金は、あらかじめ会主側にお金を預けておき、競り当日の落札金額分をそこから支払う方式です。預けた金額が買った分より多かった場合、差分が後日会主から振込まれます。当日現金は、文字どおり競り当日に落札金額分を現金で支払います。万が一、現金が足りなかった場合は後日振込みで対応することとなります。なお、支払い金額が不足していた場合、自社が売り手としても参加していれば「売上金」を不足分に充てて相殺することもできます。

落札した商材は、清算が終わってから持ち帰ることができます。前述のように、支払いが不足していた場合は、後日入金が完了してから買い手にお渡しすることとなります。現在は市場側のサービスとして落札商材を買い手に着払いで発送することが多くなりつつありますが、以前は買い手が当日自力で持ち帰ることが原則でした。古物市場が全国規模に拡がりを見せていることや、リサイクルショップなど新規参加社が増えたことで、市場の対応も変化を見せているようですね。

なお、支払いが不足しているのに買い手が商材を持ち帰って、後日入金するといった「かけ払い」を受けている市場もありますが、これは原則NGです。これはどの市場にも共通するサービスではなく、あくまで市場ごとに個別で対応されているといった方が正しいでしょう。かけ払いは買い手だけでなく、売り手に対する支払いにも影響が出ます。

場合によっては 、買い手からの支払いが遅れたために、会主が売り手への支払いを一時的に負担することもあるようです。売り手にも会主にも負担をかけることが多々ありますから、なるべくやめておきましょう。基本的に、市場の清算は競り終了後に速やかに行われるものです。競り上がりによって想定以上の落札値になってしまうことはありますが、予算をオーバーしてしまうような買い方は避けたいところ。事前の下見期間を活用して予算のメドをあらかじめ立てておきながら 、他の買い手と情報交換をして 、相場が上振れしそうかなどの情報収集を行っておくことが大切です。

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