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オークションのいろは

COLUMN

リサイクル通信2022年10月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第98回 帰ってくるインバウンド!

2022.10.25

過日10月5日に行われた「Reuse × Tech Conference for 2023」に、パネリストとして参加させていただきました。古物市場初心者の方に向けた内容を中心に、現在の古物市場における制度などをざっくばらんにお話しました。オンラインでのライブトークということで若干緊張しましたが(汗)貴重な機会をいただきましたこと、この場を借りて感謝いたします。もしまた機会をいただけたら、もっと色々なこともお話できたらと思います。

コロナ制限緩和に期待膨らむ国内市場

さて、いよいよ今月11日から新型コロナの水際対策制限が緩和されましたね。今年3月以降、5,000人から段階的に引き上げてきた一日あたりの入国者数上限が撤廃。ツアーだけでなく、個人旅行も解禁されました。かつて3000万人を超えていた訪日客数はコロナ禍で8割以上も減ったそうですから、否が応でもインバウンド再興への期待が高まります。

さらに先月末から香港での防疫措置が緩和されたこともポイント。香港における入出国が活発化し、商材の流通がスムーズになれば、相場のさらなる追い風となりそうです。

いま、国内のブランド古物相場を牽引しているのは海外輸出業者が中心でしたが、インバウンド需要が増加すれば国内小売り業者も潤ってきます。

こうした外部環境の変化を見越して、ブランド古物の相場、特に時計は9月から上向き始めています。当社が主催するRKオークションでは、8割台だったロレックスの落札率が9割台まで回復。さらに、春以降は不落札も目につくようになったオーデマピゲのロイヤルオークや、パテックフィリップのノーチラス5711系といった高額品も落札されるように。特に500~1000万円クラスの無垢系モデルに動きが出てきたことが印象的です。

再び147円/ドルと、歴史的な水準で進行する円安トレンドも現在の情勢ならプラスに働きそうです。前回の小欄では、本来為替に比例する時計相場が伸び悩む理由について取り上げましたが、今後は従来どおり為替の値動きに比例して伸びていくのではないでしょうか。実際、10月に入ってからも時計の相場は上昇しています。

時計を中心にお話しましたが、他カテゴリも相場は上昇トレンド。いわゆる"夏相場"を乗り越えて相場が上がっているバッグに、ブランドジュエリーは中国向けの輸出業者やライバーを中心に売れ行きが好調なためです。一部、ダイヤモンドに関してはラパポートの価格が下がったことで相場への影響を不安視する声があるものの、インバウンドへの期待の方が大きいですね。

来月12周年を迎えるRKオークションも、現段階で相当な出品数が見込まれています。今後はクリスマス、年が明ければ中国の旧正月と、コロナ禍以降に迎える年末年始商戦としては久しぶりに盛り上がりそう。11月~12月初旬くらいまでが仕入れとしては絶好のタイミングですから、機を逃さないようにしたいですね。

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