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COLUMN

リサイクル通信2021年6月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第82回 二番手制度と指値

2021.6.25

前回に引き続き、入札方式についてお話します。今回は入札方式における「指値」について取り上げたいと思います。指値とは売り手が希望する値段のことで、出品時にあらかじめ指定されています。実質的に指値=最低落札価格となっているケースが多いと思います。

指値制度を取り入れている古物市場は数多くありますが、入札方式においては古物市場によって対応が分かれるケースもあるようです。それは、前回ご紹介した入札方式ならではのルール「二番手制度」に影響してきます。

まず二番手制度とは、ひとつの商品に複数の入札があった際、入札額が一番高かった買い手が、自分の入札額ではなく二番目に高い額(+手数料)を支払う仕組みです。落札額が極端に高くなるリスクを防ぎ、結果的に買い手も売り手も得をする制度であることは前回お話しました。

二番手制度自体はどこの古物市場も概ね共通ですが、ここに指値が絡んだ際に対応が分かれます。最終的に支払う価格が「指値ベース」になる場合と、あくまで「二番手価格ベース」になる場合の2パターンです。

具体例を挙げてお話しましょう。例えば、指値が100万円の商材があって、一番手が120万円、二番手が90万円で入札したとします。この際「① 指値がベースになる場合」は100万円が落札価格となります。一方で「② 二番手価格がベースになる場合」は90万円が落札価格です(実際には+手数料が生じますが省略します)。

古物市場によっては、①のように二番手の価格よりも指値が高い場合、指値に引っ張られる形で落札価格が決まる制度を採用している場合があります(ちなみに、私どもが運営するRKオークションではあくまで②をベースとしています)。

売り手にとっては①の方が、希望価格で落札されやすくなるためメリットを感じるでしょう。一方、買い手にとっては指値が入っていない商材に比べて、落札価格が高くなるリスクがあります。しかし、二番手価格よりも指値が低い場合、②よりも①の方が安く買える可能性があるため、①と②、どちらの方式が良い悪いと一概にいえない面があります。

ただし、これは市場相場に照らして健全な指値が入っている場合です。例えば①の方式で、売り手が指値を極端に高く入札している場合、買い手にとっては大いに不満が生じるでしょう。売り手優遇のように見えても、買い手のリスクが高ければ入札を委縮してしまい、結果的に落札されづらくなる=売り手も不利益を被りやすくなりますから、こうなってしまうと好ましくないかなと思います。

入札方式の古物市場に参加される際は、二番手制度を採用しているか否かに加えて、指値が絡んだ場合のルールについてもあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

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