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オークションのいろは

COLUMN

リサイクル通信2021年5月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第81回 買い手も売り手も得する「二番手制度」

2021.5.25

コロナ禍を契機に、この一年間でスタンダード化した感のあるオンラインオークションや入札方式。手競りの熱気が無くなって久しいと思うこともありますが、それぞれに利点があり、コロナが収束しても定番のオークションスタイルとして根付くのではないかと思っています。

その中でも入札方式に関しては、入札してしまえばその後に競りや集計で拘束されることがなく、買い手にとっては効率よく時間を使えるため、特に一回の市場で多量の仕入れを行う企業に重宝されています。

入札方式特有のユニークなルールが「二番手制度」です。入札方式がメジャー化してきた今、あらためてこの制度についてお話したいと思います。

二番手制度(第二価格方式ともいわれたりします)は、ひとつの商品に対して複数の入札があった際、入札額が一番高い買い手が、自分の入札額ではなくて二番目に高い額を支払うルールです。
他の買い手がいくらで買おうとしているか分からない入札方式では、買い手にとって入札値を決めるのはシビアです。手競りやライブ方式のネットオクなら他社の入札値を見て金額を決められますが、それができない入札方式では、ともすれば一社だけ極端に高い入札値を入れてしまう可能性もあるからです。

極端な高値入札の不安を軽減

一見、売り手にとってはその方がよいと思えるかもしれません。しかし、買い手は基本的にはなるべく安く買いたいもの。極端に高い値で落札して「損」することがないよう、買い手が低めの値段を入れるようになったら・・・売れない、あるいは買い手との価格交渉が続出し、結果的に売り手にとってもマイナスなわけです。

また相場が安定している定番商品ならまだいいのですが、相場が定まっていない逸品系となると、二番手制度がない場合には(損したくない)という買い手の心理が働きやすく、特に値が伸びにくくなります。

このように、自分以外の入札値がわからない入札方式であっても、買い手・売り手ともに健全なオークションができるように二番手制度を取り入れている古物市場は数多くあります。私どもが運営するRKグローバルオークションも二番手制度を採用していて、当会では二番目に高い入札値を入れた買い手の不公平感が出ないよう、二番目に高い額+価格に応じた手数料(最大2万円)が、最終的な落札額となります。

今年からオークションデビューされる方は、入札方式で参加する機会もあるかと思います。以前に小欄でも触れたとおり、万が一相場からかけ離れた高値で入札してしまっても、二番手制度が一種の保険のような働きをしますので、ぜひ積極的にチャレンジしてみてください。次回は、入札方式と指値の関係性についてお話する予定です。

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