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COLUMN

リサイクル通信2021年1月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第77回 二度目の緊急事態、どう乗り切るか

2021.1.25

2021年、皆様今年もどうぞよろしくお願いいたします。昨年は新型コロナウイルスに翻弄された一年で、小欄でもたびたび触れてまいりました。今年はコロナ関連の話題が減ることを願うばかりですが、年初から緊急事態宣言が発布され、残念ながらまだまだコロナの話題に事欠かない一年となりそうです。

本稿を執筆している1月上旬時点では、緊急事態宣言が発布された直後のため、今後の見通しは立ちにくい状況ですから、昨年の緊急事態宣言時をあらためて振り返り、現在と比較してみたいと思います。

引き続き感染対策やネットオク等で冷静に

史上初の緊急事態宣言となった昨年4月は、すべてが手探りの状態でした。当時は手競りによるリアル市場を行っているところがほとんどで、多くの古物市場が休会を余儀なくされました。突如として商材の売り先が絶たれ、経済情勢の先行き不透明さが手伝って相場も深刻な下落トレンドとなったことは記憶に新しいです。代表的な例では、ロレックスのスポーツモデルが軒並み2割近くも相場を落としました。

従来のリアル市場では、手競りによる大会本番はもちろん、事前の商材下見も含めて「密」は避けられない状態で、各古物市場が休会したことは、苦渋の決断でした。

しかし、多くの業種でリモートワークやデリバリーサービスを導入したように、古物市場でもネットオークションや入札方式の展開が進められ、激変する外部環境に適応していきました。主要な古物市場は、緊急事態宣言の発布から概ね1~2ヶ月以内には前述の運営体制への変更を完了していたように思います。

当社が主催するRKグローバルオークションにおいてもネットオークション、入札方式の両大会を展開し、現在に至るまで継続しています。懸念だった商材下見についても事前予約制を採用し、会場内の人数制限を実施。サポートサービスとして提供していた、スタッフによる下見補助も取りやめとし、各座席の間隔を開き、会場内の換気や消毒といった基本的な感染対策を徹底しています。

多くの古物市場で上記に挙げたような運営をこの一年継続してきたことで、昨年の緊急事態宣言時に比べれば動揺は見られないように思います。当社においても、1月大会においては下見の予約キャンセルは今のところ生じていません。相場についても、今後の情勢によって変動する可能性はありますが、本稿執筆時点では大きく下落する気配は見られず、市場は冷静に受け止めているのかもしれません。

古物市場、参加社ともに、粛々と基本的な感染対策を講じていくことで、昨年のようなパニックは免れられるのではないでしょうか。

なお、相場を占う試金石としては、1月中旬に開催されたIJT(国際宝飾展)が。本稿執筆時点では開催後につき同展示会の商況は周知のところかと思いますが、コロナ禍における久しぶりの大きなショーとあって、市場の注目を集めそうです。

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