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オークションのいろは

COLUMN

リサイクル通信2020年6月25日発行号 掲載コラム『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第70回 ネットオクの手数料・相場は高い?安い?

2020.6.25

先月末に東京都の緊急事態宣言が解除され、6月に入ってからは街もにぎわいを取り戻してきましたね。一部では急速に人が増え、新型コロナウイルスの再拡大を懸念する声や、警鐘を鳴らす声も聞こえてきます。そんな中、Webシステムやソーシャルディスタンスを念頭に置いた「新しいライフスタイルやビジネス」が謳われ、古物業界においてもネットオークションの潮流は引き続き加速しているようです。

前回に続き、今後ネットオークションへの参加を検討される方に向けた情報をお話したいと思います。今回は、売り買いどちらの立場でも気になる「手数料」について。まず、商品をWebに掲載するための「撮影料」があります。商品を実際に触って見られない分、商品の様々な部位を撮影するために生じる手数料で、そのほかに流札(てっぽう)や、不落札商品の返送手数料などが売り手の負担となります。

しがらみなく自由な売買が強み

特に、撮影料はリアルオクではあまり見ないかもしれません。ただ、商品一点につき2~300円程度のため、気にされる方は少ないかも。手数料面でリアル競りと大きく異なるのは、売買にかかる料率がやや高めであること。売り歩銭、買い歩銭ともにネットの方がリアルよりもおおよそ1~2%程度高めでしょうか。

このように聞くと「手数料を踏まえて、皆安く値段を指すんじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうでもありません。少なくとも、私どもが5月に実施したネットオークションでは相場は伸び、ロレックスに関してはコロナ以前の相場とほぼ同じくらいでした。これは、ネットオクならではの力(ちから)が働いていると見ています。というのも、リアルでは市場の古参の方や、常連の方々が前列の席に座り、多くの商品を買っていきます。

過去にも本コラムで触れましたが、前列にいると声が振り手によく伝わりますし、往々にして競りのテクニックもベテランが上手。後列の席に座る方は、どうしても遅れをとってしまいがちです。しかし、ネットオクでは前も後ろもありませんし顔も見えません。純粋な資本力の勝負になってきますから、これまで買えなかった方々も対等に勝負し、相場を押し上げています。いままで後列に座っていて、本当は値段をもっとベタ踏みしてヤリツキできたのにできなかった方々が、強く値を指しやすくなったわけです。さらに、春頃から手探りでネットオクを始めた方々が慣れてきて、ネットバイイングの練度が上がってきていることも、好相場をつくる一因に挙げられますね。

特に、いま現在はまだまだコロナ禍の余波が残る影響から、対面取引はどこも十二分に稼働しているとは言いがたく、在庫補充への飢餓感から、ネットでも取り合いになっています。相場は良いトレンドが続いていますから、リアル競りと異なる各種手数料をしっかり把握しながら、積極的に売り買いの場として活用できますよ。

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